就活準備・選考の対策
日本で就職活動をする場合、「自己分析」が重要になります。ここでは外国人留学生のみなさんが「自己分析」を行う際に、重要な点を簡単にご説明します。
なぜ自己分析が必要か
自己分析は日本での就職活動において最初に行なわなければならない作業の一つです。それは、「メンバーシップ型雇用」でご説明した通り、日本企業の多くがまだまだ新卒採用中心だからです。日本企業は長期的な視点で、大きく成長できる人材を採用する傾向にあります。すなわち、みなさんの「可能性や将来性」を重視するのです。そのため現時点での資格や能力だけで判断するのではなく、「自分の長所・短所は?」、「興味があることは何か?」、「これまでどのように努力してきたのか?」などの質問を通して、一人ひとりの内面から可能性や将来性を見極めます。
上記の質問は、日本の企業のほとんどで、採用面接時に聞かれます。ですから、自己分析をすることは面接の対策になります。ただし、「自分を知る」ということは、面接以外にも社会に出てさまざまな人と仕事をする時におおいに役に立ちます。これからの人生で自分がどういう環境で、どういう風に社会と関わっていきたいかを考えるためにも、今までの自身の経験を振り返ってみましょう。
自己分析の方法
自己分析にはさまざまな方法があります。自己分析用のノートを作成するなど、
一度書き記すことをおすすめします。
自分の長所や短所は?
自分にしかできないこととは?
自分は今まで、どんなことをしてきたか?
自分の今後の課題とは?
過去のどんな経験が自分の人格形成に影響を与えてきたか?
などを突き詰めて考えてみましょう。また面接の対策のためにも、内容はなるべく相手に伝わりやすい言葉に置き換えながら進めることをおすすめします。あさがくナビの「就活支援」には詳しく自己分析の方法を説明している箇所もあるので、合わせて確認してみましょう!
外国人留学生として必要な自己分析とは?
外国人留学生の採用を考える日本企業は、面接で特有の質問をすることが考えられます。面接を受ける時には、それらの質問に明確に答えられるように、いろいろな角度から自己分析をし、自分をアピールできるように準備しましょう!以下は一例ですが、外国人留学生にとって重要な自己分析のチェックポイントを押さえておきましょう。
なぜ日本に留学したのか?
なぜ他の国ではなかったのか?グローバルな人材として何ができるのだろうか?
日本に興味を持ったのはいつごろか?
5年後、10年後、20年後どこの国で何をしているか?
日本に留学してよかったと思うことは?
母国と日本の違いは?文化、習慣、性格など
あなたが日本で就職したいと思ったのはなぜだろうか?
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面接の際、思いがけない質問に戸惑う外国人留学生が多いです。しっかりと「外国人留学生としての自分」を分析しましょう。日本で働きたいという「理由がしっかりした回答」「説得力がある回答」を用意することが重要です。
選考方法について
多くの企業が「エントリーシート・筆記試験・面接」において応募者を選考します。各選考方法の内容は企業によって異なるので、それぞれにどのようなものがあるか把握しておきましょう。
エントリーシート
エントリーシートとは、志望企業に応募するときに提出する書類です。採用の第一関門といえ、筆記試験や面接の前にこの書類により応募者が選考されます。エントリーシートの内容は企業によって異なりますが、主に3つのタイプに分かれます。
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履歴書タイプ
氏名、大学名、学部学科名、資格、住所などを記述します。
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設問に答えるタイプ
自己PRや志望動機、将来ビジョンなどが問われるタイプ。多くの企業がこのタイプを用いています。
【設問例】「長所・短所を教えてください。」「学生時代に力を入れて取り組んだことは?」「どんな仕事がしたいですか?」「志望動機を教えてください。」など -
専門知識を問うタイプ
専門職や技術職を採用している企業が用いる場合があります。それぞれの職種における基本的な知識が問われます。
筆記試験
筆記試験は一次面接前後に行われることが多く、「適性検査」や「一般常識テスト」、「小論文」などがあります。
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適性検査
思考力や判断力、作業の素早さや正確さを問う能力測定と、社交性、適応性、意欲などが診断される性格検査があります。これらの結果から職務適応性が測定されます。
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一般常識テスト
社会人に必要とされる一般的な知識について幅広い分野から出題されます。国際情勢や政治、経済など時事問題の出題も多いです。
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小論文
テーマが与えられ、それに対する自分の意見を作文します。知識はもちろん論理的思考力、文章表現力などが問われます。
面接
面接は1対1からグループディスカッションまでさまざまな形式があります。また、面接は複数回行われ、1次、2次、3次と進むごとに人数が絞り込まれます。1次、2次と進むごとに形式が変わるほか、後半の面接ほど役員が面接官になる場合が多く、質問内容は高度なものになります。
主な面接の形式
- 個人面接学生1人に対して面接官は1人から複数人が対応。初期の面接で個人面接が行われる場合は簡潔な質問が多いですが、後半の面接では役員クラスの面接官がじっくり対応します。
- 集団面接学生3?5人に対して面接官は複数人が対応。1次面接など初期に行われることが多いです。自分なりの回答をはっきり述べるだけでなく、他の学生の回答にも耳を傾けることが大事。
- グループディスカッション与えられたテーマについて学生数人が議論します。どのような意見を述べるかだけでなく、進行役を務めるなど、グループのなかでどのような役割を引き受けるかも見られます。
- ディベート与えられたテーマに対して、学生たちが賛成か反対かに分かれ、討論します。相手を納得させる説得力のほか、相手の意見を聞く姿勢も評価基準となります。
- プレゼンテーションテーマが与えられ、面接官に向ってプレゼンテーションを行います。たとえば商品の企画説明や、商品のPRなどを行います。
外国人留学生がよく聞かれる項目
日本に留学した理由
日本での就労、または現地法人への赴任を希望するか
日本企業を志望する理由
日本の慣習や環境のなかで仕事をしていけるか
どんな仕事がしたいかなど、将来のビジョンについて
日本語の運用能力について
自己分析と合わせて、上記の項目についても
考えておきましょう!