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パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス独自の経営戦略で小売業界に旋風、環太平洋へと店舗網を拡大中

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巻頭特集

ダイバーシティを「源流」に
グローバル企業へ
スケールアップ

あらゆる世代に支持を広げる「ドン・キホーテ」。2019年、社名を「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)」に変更し躍進を遂げています。取締役兼 執行役員の二宮仁美さんは、デザイナーとして全国の店舗デザインや、プライベートブランドのデザインに携わってきました。ダイバーシティ推進への思い、就活生へのメッセージとは―。「あさがくナビ」福井洋平編集長が聞きました。

二宮 仁美

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
取締役 兼 執行役員
ダイバーシティ・マネジメント委員長
クリエイティブ本部長
コーポレートコミュニケーション本部長
ドンペンプロジェクト 責任者
1983年、千葉県生まれ。2005年3月、千葉大学工学部卒業。株式会社ドン・キホーテ入社。
2014年4月、スペースクリエーション室ゼネラルマネージャー。2018年7月、ストアソリューションマネジメント室ゼネラルマネージャー。2019年11月、スペースデザイン部部長。2020年11月、執行役員、デザイン統括責任者兼ダイバーシティ・マネジメント委員会委員長。2021年9月、取締役兼 執行役員ダイバーシティ・マネジメント委員会委員長兼デザイン統括責任者(現任)。

迅速に、柔軟に、「顧客最優先主義」を貫き
誰もが活躍できるダイバーシティ型組織として「船出」

福井 「ドン・キホーテ」は2019年に「パン・パシフィク・インターナショナルホールディングス」に社名を変更しました。社名の変更はどういった理由からですか。
二宮 日々変化するお客様のニーズに応えるため、迅速かつ柔軟な品揃えを実現できる店舗業態を全国に展開するために変更しました。国内だけではなく、環太平洋地域におけるグローバル企業であるために、CIは当社のビジネスモデルが波紋のように広がるイメージでデザインしました。
福井 「ドン・キホーテ」は、誰もが行ったことのある「インフラ」のような存在の店舗だと感じます。独自のディスプレイ「圧縮陳列」が賑やかな印象ですが、現在はプライベートブランド(PB)を展開し、幅広い層のお店として進化・定着している印象があります。企業原理として「顧客最優先主義」を掲げている、とのことですね。
二宮 創業者が始めた夜間営業もその現れです。夜にお買い物をする顧客ニーズにも応えました。画一的なチェーン展開をせず、現場に委ねる「権限移譲」文化が確立していて、アルバイトも含めた店舗従業員に仕入れや売価決定の権限を与え、そこに暮らすお客様が求めるものを仕入れ、納得のいく値段で出しています。
福井 二宮さんは今、どんなお仕事をされているのですか。二宮「ダイバーシティ・マネジメント」「デザイン」「コーポレートコミュニケーション」の3分野を統括しています。
福井 どうして「ダイバーシティ」を重視しているのでしょうか。
二宮 多様なお客様から選ばれるには、多様な人材が平等に活躍するダイバーシティ型組織の構築が欠かせないからです。企業理念集の「源流」でも、「全ての多様性を認め、尊重する」ということを謳っています。PPIHにはグループ全体で約9万人もの従業員がいますが、個々の力を最大限に発揮してもらうには、成長につながる機会の提供や、社内の環境整備こそが、重要な経営戦略であると位置づけています。年齢性別学歴に関係なく、働いている人の中ではまだまだパーセンテージが少ないマイノリティであっても、採用、定着、管理職への昇進がなされる。その人の活躍を見た学生さんが、いいなと思ってまた入ってくる―― 社内にそんな循環をさせたいと思っています。
福井 数値目標はありますか。
二宮 まずは「女性店長の拡大」です。私がダイバーシティ・マネジメント委員会を作った2020年、女性店長は9名でした。
2024年現在は36名。2030年までに100名に増やす計画です。
福井4年間で女性店長が4倍!これは他社もびっくりすると思います。その秘訣とは?
二宮 研修プログラム「RISE!100」を始めたことです。
店長に必要な業務スキルを学び、先輩店長の話を聞く。
売上数値などを理解する講座も盛り込んでいます。PPIHはお客様の6、7割が女性。女性顧客のニーズを把握するためにも、女性店長拡大は必須です。

店舗デザイナーとして東奔西走の日々を経て
約9万人の仲間たちをエンパワーする存在に

二宮さんデザインによる店舗「キラキラドンキ」(ダイバーシティ東京プラザ店)。Z世代をターゲットにした構想で、「同じ世代の気持ちに通ずる言葉に」ということから、Z世代のメンバーに選んでもらったネーミング

福井 ところで二宮さんは珍しいご経歴。もともとデザイナーの勉強をしてきたのですね。
二宮 かなりレアな経歴です(笑)。中高一貫校の中3のとき、運動会の横断幕を一緒に作っていた美大志望の先輩から「美大を受けたら? 向いていると思うよ」と言われ、美術系に進むという選択肢が自分の中に生まれました。千葉大工学部のデザイン工学科に入り、空間・店舗デザインに興味を強く抱くように。そんな折、大阪・道頓堀店の「観覧車デザインプロジェクト」に大学の恩師と共に携わったことが「ドン・キホーテ」との出会いでした。
商業施設の枠を超えたエンタテイメント空間で、複合型から小型まで多様な業態パッケージ。「幅広くデザインをやれるかも」と、面接の話が進み、そのまま入社が決まったんです。
福井 なんと!即答だったのですね。
二宮 プロジェクトに学生バイトとして参加しながら、2005年、設計部店舗デザイン担当として入社しました。
福井 当時、「ドン・キホーテ」に対してはどういうイメージをお持ちでしたか。
二宮 「なんかごちゃごちゃしているな」(笑)。ただ、お買い物にとても興奮した記憶があったんです。自分が会社初の社員デザイナーなので、ルールがないことは楽しいことでした。
福井 そして現在は、現場仕事からマネジメントする側に。意識変革はありましたか。
二宮 2017年、出産を機に休暇を取得した経験を経て、「いろんな人の能力を引き出すことは、自分が今やるべき大事な仕事だ」と、意識が変わりました。
福井 就活を始めるにあたり、今の大学生に大事にしてほしいことは。
二宮 自分の意思で道を決めてほしい。私が「ドンキ」に入社したのは自分で道をつくれそうだし、自分の専門性を活かせそうだと思ったから。初期の就活ではデザイン業界ばかり見ていましたが、小売りの「ドンキ」のデザイン職として入社し19年が経ちました。そんなケースもありますから、いろんな企業を見てほしい。やりたいことがわからない人は、さまざまなキャリアが描ける会社もあります。PPIHも、社内にいながらキャリアチェンジでき、自分に合う仕事を探すことができます。グローバルグループとして企業を海外展開していく強い決意とスケールに、就活生の方々は期待感を持ってほしいと思います。

あさがくナビの目 ――――

地域に根付く店舗をデザインした
二宮さんは多様性の象徴

あさがくナビ編集長
福井洋平

 PPIHが全国から海外まで展開する「ドン・キホーテ」。実は、すべての店舗が違うデザインです。一店一店地域になじむデザインをつくることで、その土地に根付き愛される店にするためといいます。PPIHの企業原理「顧客最優先主義」は、手間ひまをかけてこういった多様性をはぐくむことで実現されているのです。店に行くたびつい何か買ってしまうのは、品揃えの多様性以外にもそんな理由があったんだと納得しました。入社以来店舗などのデザインづくりを牽引し、いまは会社全体のダイバーシティ推進に取り組む二宮さんは、まさにPPIHが大事にしている多様性の象徴。PPI Hの取り組みからは、胸が「ド」キドキする未来を見せてくれそうな予感がします。

(左)24時間営業のドン・キホーテ中目黒本店。ほかにもターゲットや売り場面積、アイテム取扱数など、多彩な店舗形態フォーマットで、地域の方々に常に選ばれる店作りを目指す。(右)新卒採用課責任者の古谷真美子さん。「変化対応し続けるPPIH。あなたの柔軟な創造と発想で未来を一緒に創りましょう」

 1978年、創業会長・安田隆夫氏が29歳の時、東京・西荻窪に約18坪の雑貨店「泥棒市場」をオープンさせた。
 同店は独自の経営戦略で小売業界に旋風を巻き起こした。深夜に営業する「ナイトマーケット開拓」、買い物の楽しさを顧客に実感させる「圧縮陳列」、そして画一的な店舗展開をせず、現在の「ドン・キホーテ」の源流をつくった。
 1989年には東京・府中で「ドン・キホーテ」1号店を開店。それ以降、日本全国に多彩な店舗を急拡大させている。PPIHが掲げる「変化対応」として、生鮮食品取扱業態「MEGAドン・キホーテ」や海外向け店舗「DON DON DONKI」などグループ総店舗数は739店に及ぶ(2024年5月現在)。
 2019年には社名を「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(略称:PPIH)」に改名し、長期経営目標として、海外事業も拡大している。同時に、国内事業ではPB商品の拡大を目標に掲げる。創業から同社が貫く「顧客最優先主義」精神のもと、躍進を遂げている。
 新卒社員の募集職種は「総合職」と「生鮮専門職」の2種類だ。「総合職」は入社後、店舗の売り場責任者のサポートとして配属される。売り上げ利益を上げるための戦略や発注のノウハウを、売り場責任者から教わりながら学んでいく。新卒採用課責任者の古谷真美子さんは、「その後は、売り場責任者に昇格します。リーダーとして仕入れや価格設定、レイアウトの権限を『委譲』され、自分の裁量のもと、売り場の構成をつくっていきます。ここにやりがいを感じる社員が多いです」と話す。
「生鮮専門職」は、鮮魚や精肉、野菜、惣菜のプロフェッショナルになるべく、仕入れや販売、商品知識、加工技術を学んでいく。どちらの職種でも、入社後は「基礎基本研修(入社後3カ月間)」、「1 on 1個別フォロー」、「グループワーク」、「WEBスキルチェック」など、研修サポートを各種用意している。

新人社員にも徹底された「権限委譲」
売れ筋商品を見極め、発注まで一任

 入社12年目の古谷さん自身は、もともと大学で心理学を学んでいた。就職活動を本格化させるなか、「言われたことをやるだけの仕事には就きたくない」と感じていたという。そんな折、同社の会社説明会に参加。入社2、3年目の先輩社員が、仕入れや価格設定を任されている様子を生き生きと話すのに魅了され、入社を決意した。最初に配属された東京・北池袋店では、早速、先輩社員のサポートを受けながらアロマコーナーを任された。「アロマを使う習慣もなかったので、どんな種類があるのか、イチから勉強しました」と古谷さん。売れ筋商品の見きわめ方を学び、発注していく。「新人のうちから大きな仕事を任され、誇りに感じました」と振り返る。
 6年後、店舗の現場を離れて採用担当に異動。古谷さんは、入社を迷う学生の相談にも乗っている。過去に相談に乗り、実際に入社した後輩社員から「あの時、古谷さんに相談して良かった」「昇進しました」と連絡をもらうことがある。「それが今のやりがいにつながっています」(古谷さん)

女性のキャリアを支える制度が充実
多種多様な個性を認め合う風土が醸成

 PPIHは、ダイバーシティ型組織の構築に向けて、数々の方策を打ち出している。その一環として2023年3月から、「低用量ピル」の導入化を実現している。女性社員には全額(診察費および低用量ピル代、送料)、社員(性別不問)の女性ライフパートナーには半額(同)、会社が料金を負担する。社内対象アンケートで、月経による体調悪化、パフォーマンスの低下を挙げる声が多かったのを機に、社内に設置された「ダイバーシティ・マネジメント委員会」が主体となって制度を整えた。もちろん医薬品であるため、服用するか否かは社員の判断に任されている。「社員の間ではとても好評です」と古谷さんは話す。
 また、産休・育休取得の際には参考にする冊子「サポートブック」を女性編、男性編それぞれに配布している。社内でも、子どもを出産する際、どこの部署でどんな手続きをするか、補助金など各種制度について周知している。「あらかじめ知っておくことで、女性、男性、あらゆる年代の社員たちの安心感を生み出していると思います」(古谷さん)
 さらに、社員一人ひとりの多種多様な個性を認め合う風土の一環として、「髪色自由」を掲げているのも特徴だ。古谷さんは「ネイルカラーやデザインの規定も緩和されました。会社の自由な雰囲気が現れていると思います」と言う。
 PPIHが一緒に働きたい人材は、「主体性を持って行動ができる人」。また、「変化を楽しみながら挑戦できる人」。そして、「失敗から学んで自己の発展に繋げられる人」だという。もっとも、そうした能力を学生時代から備えることはなかなか難しい。古谷さんは「一緒に働いていくなかで身につけられるスキルだと思います。今後身につけたいと思ってくださる方とも同様に働きたい」。
 入社は、あくまでゴールではなくてスタート。流通・小売業界に数々の「ブレイクスルー」を生み続けるPPIHの一員として、変化に柔軟に対応し、果敢に挑戦できる人に来てほしい。

One more thing ...

若手社員支える
「ルーキーサポートペイ」
個々の人生プランにも
柔軟に対応

 PPIHでは、初期配属を原則として現住所から通勤可能な店舗とし、その後の働き方は自分の人生設計に合わせ全国転勤型、エリア転勤型、店舗限定型の3区分から選択できる。家族の介護など、予期せぬタイミングにも柔軟に対応することができる。
 全国転勤・エリア転勤が発生した若手社員には「ルーキーサポートペイ」で支援を充実させている。引っ越しを伴う異動時にかかる経済的負荷を軽減。実家への帰省旅費を実費で毎月現金支給する。また「ドン・キホーテ」店舗で利用できる「majicaポイント」も付与。「お昼ごはんや、仕事の後のお買い物に使うほか、ポイントを溜めて大型電化製品を買う人もいます」その付与額は、働き方の区分によって異なる。「これも『PPIH』が掲げる『変化対応』の表れだと思います。社員一人ひとりを大切にし、時代の変化に合わせていくのが当社の魅力です」(古谷さん)

社名
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

インターンシップ&オープン・カンパニー情報

【募集職種】
総合職/生鮮専門職
【応募方法】
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【インターンシップ&オープン・カンパニー情報】
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<対面式開催の場合>開催会場はエリア毎に異なります。日程概要の詳細よりご確認ください。
Re就活キャンパス(あさがくナビ)でチェック&アクション
会社データ
【事業内容】グループ会社株式保有によるグループ経営企画・管理、子会社の管理業務受託、不動産管理
【本社】〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-25-12 道玄坂通8階
【資本金】233億5100万円
【売上高】1兆9367億8300万円
【設立】1980年9月
【従業員数】17107人

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