インターンシップ&オープン・カンパニー ガイド
【食品】

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三州食品「卵」にこだわった多様な商品で
豊かな食生活を演出

三州食品は三州(三河国)の愛知県高浜市で1949年に創業し、会社設立から60周年を迎えた。養鶏場から工場に届いた卵は、検査、洗卵、割卵を経て加工。各商品の容器に入れて出荷される

卵の鮮度の検査、成分や微生物の検査などを行い、継続的に食品安全管理レベルの向上を図っている

 日本人の食文化に「卵」は欠かせない。見た目ではわかりにくくても、スーパーやコンビニで買うパンやお菓子、マヨネーズやふりかけなどの調味料、ちくわなどの練り物にも、卵は使われている。外食で口にする料理やアイスクリームなども同様だ。
 三州食品は、これらの食品メーカーなどに向けて、加工した卵を供給している。会社名こそ表に出る機会は少ないが、私たちの豊かな食生活を支えている。
 原料として取り扱うのは、基本的に鶏卵のみ。何百種類ものバリエーションの商品に加工・梱包して顧客に届ける。卵の殻を割った中身である液卵は、卵黄、卵白、その両方が混じった全卵の主に3種類。そこから殺菌や冷凍だけを行う商品もあれば、裏ごしをして滑らかにする商品や、砂糖や食塩をあらかじめ加えておく商品もある。
 鶏を専用の飼料で育てて、生みたての卵をすぐに加工して新鮮な状態で出荷するケースも。液卵にだしを加えて濃縮した商品は、茶わん蒸しに用いられる。スタンダードな商品以外のものは、食品メーカーなどの顧客からのニーズを検討して、新商品を一緒に開発していくというスタンスだ。
 さらに、グループ会社の三州エッグは、ゆで卵や半熟卵を生産している。殻の有無や半熟の度合い、味付けなども、出荷先によって細かく設定。おでんのゆで卵や、ラーメンチェーンの煮卵などに使われている。

養鶏からの一貫した生産体制で
安全で安心な卵加工商品を消費者に

 最近は円安に伴って飼料代が高騰し、卵の販売価格も上がっている。それでも安定した生産を維持している理由の一つが、同社の企業姿勢を表す「Farm to Table」という言葉。自社グループの養鶏場を持ち、鶏の育成から卵の加工・出荷に至るまで一貫した生産体制を取っている。
「当社は大企業ではありませんが、業界では2番目の規模で、鶏が産む卵の段階からお客様の要望に応えられるのが強み。関わった商品が普段の生活で目にしやすいのは、この仕事のやりがいの一つです」と総務部次長の國松信也さん。安定した卵の供給や品質管理を実現することで、消費者により安全で安心な商品を届けてきた。
 愛知県小牧市の本社工場は、単一工場としては日本で最大規模の割卵設備を持ち、1日に最大140トンの液卵を生産できる。主力事業となる液卵のほかに、卵の殻もカルシウム粉末などに活用している。最近では、東京みやげで有名な「東京ばな奈」の商品に液卵を供給していた縁で、製菓工場を分社化して一部商品の製造を委託されている。
 事業展開を年々拡大していく中でも、「卵」に専念するという三州食品のこだわりは変わらない。世界的な食料危機が忍び寄る現在、卵は人類にとって重要なタンパク源の一つであり、日本の卵加工は徹底した衛生・品質管理で注目を集めている。その意味でも同社は、小さな卵から生まれる大きな可能性にチャレンジを続けている企業だと言えるだろう。

入社後の上司が最終面接に同席
「ひとづくり」を重視した職種別採用

 三州食品では、事業の基盤を「ひとづくり」「ものづくり」「仕組みづくり」に置いている。特に、日々の業務を通じて「ひと」の能力と人格を磨くことは、消費者や顧客のニーズに対応して、新しい価値を生み出すために重要だと考えている。
 そのため、職種別の採用を徹底しており、配属が不透明な総合職の採用はない。生産ラインの中枢を担う製造職や、多様な商品を生む商品開発、食品を扱うため重要度の高い品質管理などの職種ごとに採用をする。
 採用面接も一次の面接官は人事担当の社員だが、最終面接には希望する職種の所属長が同席する。「入社したらこの上司と働くことができるのかを、学生の方にも判断していただきます」と國松さんは説明する。
 選考時には必ず会社を見学してもらうのは、入社してから職場や通勤などに違和感が生じるのを防ぐため。来年度の卒業生向けの1日職場体験も、実際の雰囲気を感じられるよう、リモートではなく実地で行われる。
 同社が求める人材について、「平均的に優秀な方よりも、何か一つに優れている方。たとえ足りない部分が多くて他社の書類選考に通らなくても、人に負けないような何かがあって、その部分を伸ばして活躍できるのであれば、会社にとって有益です。趣味などに没頭できることは、本人が気付いていないポイントです。人と違っていても恥ずかしがらず、しっかりアピールしてみてください」と國松さん。そのうえで、就職活動に臨む学生にメッセージを寄せた。
「就活で今はやりたいことが見つからない人も、最後は自分で決めねばなりません。だからこそ、1社でも多く、さまざまな業界の方と会ってください。何が自分に向いているか、何が心に響くのかは、いろんな人の話を聞いてみないとわからないものですから」

(左)用途に応じて、卵黄の柔らかさもさまざまに提供でき、
(右)新商品を開発する際は、試作品の検証を重ねたうえで顧客へのプレゼンを行う

One more thing ...

日本最大規模の
高速割卵設備

 料理をする時に卵を割るのは意外に難しい。同様に、卵加工において「割卵」の工程は難易度が高く、生産能力を左右する。日本でも最大規模の生産能力を有する三州食品の本社工場では、デンマーク製の高速割卵機を計11台導入。1時間に最大50万個近い卵を割ることができ、その圧倒的なスピードは一見の価値がある。
 鮮度の高いAランク以上の卵を使用し、割る直前に表面の殺菌処理などを行う。割卵機は、卵の下に切り込みを入れて殻を開け、中身が落下すると黄身を上のカップ、白身を下で受け止める。円型の機械は黄身と白身を分離せずに全卵を集める設定も可能。血が混じった卵を自動的に検知する装置や、オペレーターによるチェックで不良品の卵を取り除き、高い品質を維持している。
 全卵・卵黄・卵白に分けられた液卵は撹拌された後、商品ごとに加工や殺菌をして出荷されていく。

社名
三州食品株式会社

インターンシップ&オープン・カンパニー情報

【募集職種】
製造職、設備管理職、商品開発職、品質管理職、事務職
【応募方法】
ご応募いただける方は下記連絡先にご連絡ください。
三州食品採用担当の國松(くにまつ)宛
TEL:0568-79-0503
【インターンシップ&オープン・カンパニー情報】
食品メーカーで1日職場体験
対象:製造職、商品開発職、品質管理職
【インターンシップ等詳細】
食品メーカーである当社で、1日での職場体験を行ってもらいます。食品の原料メーカーとしての役割、業務の説明を通して、自分のやりたい仕事が見つかることを期待します。また体験より、各自の適性などを判断いただければと思います。体験職種は、以下となっています。
<商品開発>提案や試作品の品評
<品質管理>品質管理におけるクレームの原因追及や風味チェック
<製造>工場での製造職体験
会社データ
【事業内容】三州食品では、液卵・ゆで卵などを製造販売しています。
【本社】〒485-0802 愛知県小牧市大字大草5447-6
【資本金】9000万円
【売上高】366億円
【設立】1964年4月
【従業員数】816人(グループ全体)

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