
日本での就職について
日本の就活には、海外と異なる点がたくさんあります。その原因の1つは、日本以外の多くの国では「ジョブ型雇用」を採用しているのに対し、日本の企業の多くは「メンバーシップ型雇用」を採用しているためです。
ジョブ型雇用とは
自分の勉強してきたことや、経験、専門スキルを活かして、仕事の内容や勤務場所を自分で選択する、限定正社員または有期契約での労働を指します。自分のスキルや経験によって給料が決まり、仕事をやり遂げる能力さえあれば、若くても重要な仕事を任せてもらえます。一方で社内では研修などはほとんど行われないためスキルは自分で身に付ける必要があります。
メンバーシップ型雇用とは
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日本企業に多く見られる雇用契約の一つで、日本特有の「※年功序列」や「※終身雇用」などの制度が前提の雇用方法です。職務や勤務地を限定しない非限定正社員を指します。このメンバーシップ型雇用では主に新卒一括採用で大量に人材を獲得し、OJTや社内研修で教育を行い、職務に必要な知識と経験を積ませます。職務や勤務地の範囲を限定していないことから、基本的には企業の都合により、転勤や部署異動が行われるのが特徴です。上場している大企業に多い日本的雇用で、『総合職』に多く見られる雇用形態でもあります。
日本の企業では、未だに多くの企業が「メンバーシップ型雇用」を採用しているため、新卒時の就活は非常に大切な活動です。みなさんが一生涯関わるかもしれない企業や職務を考え、選択する必要があります。※年功序列とは年功序列とは、 勤続年数や年齢を重視して役職や賃金を上昇させる人事制度のことです。以前はほぼすべての日本の企業が、この「年功序列制度」を採用していました。近年では、転職が当たり前になり、勤務年数や年齢とは関係なく、仕事で成果を上げた人が出世する「成果主義」を導入する企業が増えましたが、それでもこの考え方は日本の企業に根強く残っています。
※終身雇用とは終身雇用とは、学校を卒業してから定年(60歳~65歳くらいまで ※企業により異なる)まで、一つの企業に長期間雇用される制度のことです。近年では終身雇用制度が薄れてきているという声もありますが、こちらの制度も根強く残っています。つまり、日本では初めて就職した会社に、定年まで勤めるケースがいまだ多くあるため、中途採用の枠が新卒採用の枠に比べて少ないと言えます。そのため日本では「新卒時」の就職活動が特に重要視されているのが現実です。