時事から学ぶ業界研究

朝日新聞presents あさがくナビ就職支援セミナー seminar01 時事から学ぶ業界研究

#4 新聞で業界研究 7つのポイント②ポイント④ 株価は「経済の鏡」

  • 企業の業績や経済状況、世界情勢などによって日々変わる
  • その企業を評価する人が増えれば、株を買いたい人が 増え、株価は上がる
  • 代表的な指標が「日経平均株価」

安倍政権の経済政策「アベノミクス」が始まってから東京証券取引所(東証)の日経平均株価は上昇し、2015年2月には、2008年のリーマン・ショック前のピーク(2007年7月の1万8261円98銭)を上回り、同年4月には2万円を超えました。大企業の業績が回復したためです。

また、トランプ米大統領の誕生前には、トランプ氏が現実路線をとり、大規模な景気対策を実施するのではないかとの期待が膨らんで株高となり、「トランプ相場」と呼ばれました。

株価は「経済の鏡」とか「経済の先行きを映す鏡」と言われ、企業の業績はもちろん、日本の経済状況、国際情勢など、様々な要素を反映します。一般的に、ある企業が売り上げ増などで業績が良くなったり、将来性があると認められたりすると、その企業の株を買いたい人が多くなるので株価が上がり、逆なら下がります。

多数の企業の株価を集計して全体の値動きを示すのが株価指数です。代表的なものが「日経平均」で、東証第1部に上場する約1900社のうち主要な225社で算出するため、日本の経済状況を示す代表的な指標となっています。

一般的には、日経平均株価が上がると、日本の経済が活発化して景気が上向いているとみられます。2012年以降の株高の要因は、

◇円安で自動車や電機などの輸出が増え大企業の業績が回復

◇原油安で燃料コストが下がり多くの企業に恩恵

◇日本や世界に大きな影響をもつアメリカの景気が堅調

などですが、株価は、中国やヨーロッパの経済情勢、中東の政治情勢などに大きく左右されます。

個々の企業の株価にも注目しましょう。みなさんがこれから受ける企業の業績を反映している一方、その株価がこれからの企業活動にも影響していきます。上場企業を目指す人は、志望企業の株価の動きを調べてみましょう。直近の企業の業績を反映していますから、これ以上の新しい企業研究はありません。

株価は、証券など金融業界をめざす人だけでなく、すべての企業をめざす人にとって大切な数字です。中には、面接で「今のうちの会社の株価はいくら?」と聞く会社もあります。志望企業の株価は、新聞の株式欄などで毎日チェックする習慣をつけましょう。