ES対策実践講座

朝日新聞presents あさがくナビ就職支援セミナー seminar02 面接対策実践講座

面接の実例をチェックしてみよう

では、さっそく面接の例を見てみましょう。
この就活生A子さんの答え方、あなたはどう思いますか?

面接担当者「学生時代に最も頑張ったことは何ですか?」

A子さん「はい、私は大学時代、バイトに全力で取り組みました。
私はバイトをただお金のもらえる場としてではなく、自分を成長させる場ととらえていました。
そこであらゆる仕事に人一倍熱心に取り組み、周囲から信頼を得られたことで、チーフに挑戦させていただきました。
私にとっては初めてのリーダー経験だったので、気持ちばかり焦ってしまい、行動が伴わないこともありました。
特に私は課題を見つけたらそれを言うだけで、具体的な解決策や行動計画が示せず、結果的に物事が前に運ばない状況を引き起こしていました……」

面接担当者「えっと、何のアルバイトをされたんですか?」

A子さん「大学の図書館で学生スタッフをやっていました」

面接担当者「なるほど。では、図書館のお仕事で学んだことは何ですか?」

A子さん「はい、私はこの経験から、課題を発見したらどのように解決していくべきなのかを自分で考え、行動計画を提案することが大切だということを学びました。
同時に周りを巻き込んで事をなす説得力を身につけていかなければならないと感じました。
3年間勤めて反省すべき点は多々ありますが、貴重な経験から得られたことを、今後に生かしていきたいです」

面接担当者「なるほど、そうですか。わかりました。では……(次の質問へ)」

A子さんの話の内容、いかがでしょうか?

1つ目の欠点、「話が長い」です。
いきなりアルバイトに関する持論を延々と語り始め、とりとめがありません。
まず「結論」からズバッと先に言いましょう。
何のアルバイトかわからないと、聞いている方はついていけません。(ついでに「バイト」は学生言葉なので、「アルバイト」と言いましょう)。

二つ目の欠点。
話が長い割には「具体性がない」ことです。
一生懸命仕事をしたことは伝わりますが、具体的に何をどうしたのか、その結果どうなったのか、事実関係がわかりません。
話の焦点を絞って、具体的に伝えましょう。

短時間でわかりやすく伝えるコツ

1.「結論」から先に言う

2.エピソードは具体的に

3.話の焦点を一つに絞る

3つのコツに従い、A子さんの話し方を次のように変えてみると、印象はどう変わるでしょうか?

面接担当者「学生時代に最も頑張ったことは何ですか?」

A子さん「図書館でのアルバイトです。
○○大学の図書館に、週2回3年間勤務しております。
現在は学生スタッフ10人を束ねるチーフをしております」

面接担当者「大学の図書館で学生チーフを……。どんなお仕事ですか」

A子さん「大学職員の司書たちと一緒に、カウンター業務や書庫管理を行っています。
レファレンスや図書の選定・購入は、司書の方がやりますが、その他の業務は学生全員で手伝います。
私が昨年秋からチーフになってからは、学生スタッフの勤務表を作ったり、新人向けの研修プランをリニューアルしたりしました。
知識が不十分な学生スタッフが増えて業務が滞り、大学職員に迷惑をかけてしまうことが増えたので……」

面接担当者「なるほど。研修プランをどんなふうに変えたのですか?」

A子さん「はい、まず私が最初に手がけたことは……(話が続く)」」

いかがでしょうか。

話を最初から具体的にすれば、面接担当者が質問しやすくなり、その後のやりとりが濃くなります。

面接では、明るくハキハキ話すことはもちろん、具体的にズバッとわかりやすく伝えることが大切です。