ES対策実践講座

朝日新聞presents あさがくナビ就職支援セミナー seminar02 面接対策実践講座

面接の実例をチェックしてみよう

面接は、自分を精いっぱいプレゼンする場ですが、いくら気合を入れて準備しても、伝え方が自己中心的では印象が悪くなります。

たとえば、面接でよく陥る落とし穴は、自己PRや志望動機を、まるでセリフのように丸暗記して、一方的に話してしまうこと。「コミュニケーション能力のない人だな」と思われてしまいます。
理論武装しすぎて頭でっかちになるのも、失敗の元です。
「じゃあ、君はどうしてそう思うの?」「その考えは、間違っているんじゃない?」などと厳しくつっこまれたら、撃沈します。
自説に頑固にこだわって、質問に合わないことを延々と主張しても評価されません。
面接では、柔軟性を持って、相手との自然な言葉のキャッチボールをするよう心がけてください。
 人事担当者に聞いてみると、こんな意見が出ました。

「リアルな体験ならすぐ意見を言える」
会話でキャッチボールして「その時どう思ったの?」とつっ込んで聞く。
リアルにやっていれば思ったことをすぐに言える。
半分以上脚色だと言葉につまる。
それによって本当の努力かどうかを見たい。(生保)

「会話のテンポが重要」
会話のキャッチボールがテンポよくできるかどうかが重要。
質問の意図を理解してポイントをずらさずに自分を伝えられる人は、会話がぽんぽん弾む。
コミュニケーションは相手の言うことを理解できるかどうか。
営業の仕事も同じで、相手が何を求めているかが実は一番重要。
聞く力がある人は印象に残る。(商社)

「コミュニケーション能力を最も重視」
サービス業なのでコミュニケーション能力を一番に見ている。
面接担当者の質問を素早く理解し、自分の考えを的確にまとめて、分かりやすく説明できるか。
危機察知能力も重要。志望動機は?と聞かれて、用意してきた動機を延々としゃべり続け、面接担当者が飽きていることに気づかず、5分間もしゃべるなんてあり得ない。(広告)

「機微がない人とは働けない」
時間いっぱいしゃべり続けて「言いたいことは全部言えた」と気持ちよく帰る学生がいるが、面接はキャッチボール。
こちらが聞きたいことを聞けなければ意味がない。
この人はそういう機微がないと思うと一緒に仕事をするのは難しい。(テレビ)

「言葉につまっても逃げずに考えて」
面接で難しい質問が来ても、表面的な言葉やテクニックでかわさないで。
その場で困って、言葉がつまっても構わない。
その状況から逃げずに必死で考えをひねり出す素直さと、あきらめない強さが大切です。(航空)

「言葉のキャッチボールは仕事の基本」
言葉のキャッチボールが円滑にできることが一番大事だし、それが仕事の基本。
なかには、質問の趣旨とまったく違う答えが返ってきたり、一つの話を延々5分10分話し続けてしまったりする学生がいる。
逆に何を聞いても答えが一問一答で返ってくる学生も。
能力が高くても、まずは自然なコミュニケーションがとれることが一番。(鉄道)

面接も、人と人との生のコミュニケーションです。
自分が話していることが伝わっているかどうか、相手の声のトーンや表情から察知し、うまく伝わってないようなら、言葉を言い換えたり間合いを変えたりして、軌道修正してください。
面接に限らず、友だちどうしで話す時も無意識にそうしているでしょう。
友だちとの会話と面接では、言葉遣いや話す目的は違えども、「相手に合わせて対話する」というスタンスは同じです。

 

面接も回を重ねて慣れてくると、あなた自身のコミュニケ-ション能力がぐんとアップしてくるはずです。
余裕が出てきたら、面接担当者にあなたから逆質問してもいいのです。
「私は御社の事業についてこう思っておりますが、御社ではどうお考えですか?」「将来こういう企画をやりたいです。御社で実現できそうな部署はありますか」などなど。
面接を終えてあなた自身が「この企業の人たちと話して楽しかった。一緒に働いてみたい」と手ごたえを感じるようなやりとりができたら理想的です。